黄色い薔薇は涙の香り

椿火呂花さんの エイジ・オブ・イノセンサス
冒頭にエンディングを持ってきて、何故こうなったかを見せていく演出です。
結末が衝撃的であれば、のっけから一気に食い付いてしまうのですが、エイジ~では、何の変哲もないラブストーリーを予感させ、途中でのギブアップを観念したのです。
しかし、豈図らんや、舞台にのめり込み、前のめりのまま完走したのでした。
ジェンヌさんたちの吸引力に引っ張られたのは無論ですが、作・演出家先生の技量によるものである、と特に強調しておきたいと思います。
黄色い薔薇の使い方が上手で、上手過ぎちゃってウソつき、作ったでしょ、と言いたくなります。
作ったんですけどね。
エイジ~はダブル不倫のお話です。清く正しく美しく、を金科玉条の如く掲げるタカラヅカさんとしては、いかがなものか、なテーマであります。
タカラヅカさん的葛藤と、不義の愛如何に、が相まって見る者を引き込んでしまうパワーがありました。
タカラヅカさんにダブル不倫はなりませぬぞ、という頑固者の視聴者が目を凝らす中、絶妙な場面での黄色い薔薇です。上手過ぎちゃってズルイです。
完全に脱帽なのでした。

スカステが余生の友