イトシキ紫城るいさん

霧矢大夢さんの 愛しき人よ
不味いバーボンの後、「イトシキヒトヨ」で口直しであります。
出だしが意味深でイミフです。謎めいておりますが、見ていくうちに繋がるので黙ってご覧なさい、という作・演出家先生の自信が窺えます。
前半は短目のエピソードが連なり、それが織り成すような形で物語の流れが紡がれていきます。
なかなかアジな演出をされる先生であります。
紫城るいさん演じるエキセントリックな川島というキャラが、舞台にグイっと引きずり込んでいきます。
日本のマタハリなる人物の出現は、例えハッタリであろうと舞台に異様な彩りを加えました。
実に面白い人物を生み出したものです。作家先生の勝利です。
勿論、紫城るいさんの狂気を含む妖艶な演技がなければ成立し得ない、ある意味危ういキャラであります。
紫城るいさんなればこそ、否、紫城るいさんしか演じ得ない役どころだったとさえ思える程です。
紫城るいさんに脱帽であります。
当初のお目当てだった、月船さららさんのステキに美しい魅力が霞むくらいの紫城るいさんでありました。

スカステが余生の友