劇場で見なければ意味ないね

ビールとレビューは生に限ると言われてますが、イヤ誰も言ってないと思いますが、タカラヅカさんは宝塚大劇場東京宝塚劇場で観劇してこそタカラヅカさんを"見た"と言えるのでしょう。私のようにスカステでチマチマとモニター越しに見るタカラヅカさんは、疑似的なタカラヅカさんで電車おたくの電車でGO!!、あるいはヒコーキおたくのフライトシミュレーターみたいなものであります。大階段とかトップさんが背負う羽根をモニターで見たところで、それはスケールダウンしたミニチュアでジオラマ世界のタカラヅカさんなのであります。楽団さんの生演奏の腹にドスンと響くような迫力、眩い照明と煌びやか衣装とそして何より、すぐそこで動いているジェンヌさん。そうしたタカラヅカさんが繰り出す波状攻撃を全身で受け止めて、あるいは圧倒されなくてはタカラヅカさんを"見た"ことにはならないのであります。当たり前過ぎる話であります。スカステで放送された、柚香光さんの The Fascination! を見ておりまして、劇場で実物の柚香光さんをこの目で見ないことには話しにナランと、つくづく思うのであります。しかし、オイソレとチケット取ってタカラヅカさんへ、とはいかないのであります。実物のタカラヅカさんを楽しむためには時間と空間を強要され、金銭を要求されるのは当然であります。それらを贅沢にも消費できるのは選ばれし人々なのでしょう。私にはトウテイ出来ぬことであります。時折私は仕事の関係で新橋へ赴くことがあるのですが、一つ手前の有楽町で下車いたしまして、東京宝塚劇場の前を徒歩で通過して目的地に行くことにしているのです。各組さんのポスターの前で足を止め、イイナイイナと羨望の眼差しでそれらを眺め、溜息交じりにトボトボと新橋方面へ歩き出す冴えないジジイがいたら、それは私かもしれません。