BSトゥエルビで昭和のホームドラマ決定版「ありがとう」を放送しているので、視聴しておりますが、第1シリーズもいよいよ大詰めの大団円、フィナーレを迎えようとしております。ヒロインの恋のゆくえも、収束に向けての流れが見えてきました。物語も平和裏のうちに終焉を迎えるのだろうと思いきや、いきなり首無し死体が、穏やかな空気を切り裂くように出現するのであります。穏やかならぬ「バラバラ殺人事件特別捜査本部」が設置され、事件解決に向けて動き出す刑事が、石坂浩二であります。首無し遺体を捜査する石坂浩二といえば、横溝正史の映画のようであります。しかし、何てたって「ありがとう」はホームドラマなのですから、オドロオドロしさは皆無であります。出演者が怯えて、ギャッと驚くシーンは、当然ギャグとして処理されており、視聴者を安心させる工夫が凝らされているのであります。猟奇的殺人事件も、あくまでホームドラマですので、視聴者を飽きさせない為の、一種の副菜として提示されたものでしょう。脚本家の並々ならぬサービス精神に、感服するわけであります。11月からは、私の記憶に微かに残っている第2シリーズが始まるようであります。楽しみであります。ありがとう、と言いたいところです。