人類の進歩と調和に夢見た時代

BSトゥエルビで放映されている「ありがとう」第1シリーズが、終わってしまいました。収束に向けて、やや強引な展開ではありましたが、終盤の乙羽信子山岡久乃の二人芝居にはホロリとさせられてしまいました。この頃の宝塚出身の女優さんは、流石に違いますね、であります。そして何より、普段は口喧嘩の絶えない母娘であっても、娘を思いやる母、母を思う娘の心の機微をドラマに落とし込める作家さんの力量には、脱帽であります。昭和のホームドラマでも、スリるあり首無死体ありライフル犯籠城事件ありベテラン婦人警官の殉職あり、そういったサスペンス風味も盛り込むというサービス精神は、経済成長一直線だった時代の勢いとも無関係ではないでしょう。「人類の進歩と調和」を旗印に掲げた大阪万博の話題がドラマの中にも散見され、昭和の時代を懐かしむ向きには感涙ものでありましょう。セリフにも時代を感じさせる「ナンセンス」というフレーズが多用され、そんなの流行ってましたなぁ、なんて思い出す人は間違いなくジジババでありましょう。ジジババ結構、次週からは「ありがとう」第2シリーズが放送されますので、懐かしい昭和を再びとばかりに、若かりし日の夢空間を闊歩しようぞ、御同輩!