笑いを拒否するコメディ

1982年の米国映画「キング・オブ・コメディ」を視聴。先日アマプラで「ジョーカー」(2019年 米国)を視聴した際、「キング・オブ・コメディ」との関連性が示されていたので、見てみたいと思っておりました。丁度上手い具合というか偶然というか、BS松竹東急で放送されたので、ホイホイと飛びついたのであります。面白いとは思ったのですが、登場人物のキャラに共感出来ず、視聴後は「あっそう」という言葉が出てくるのが精々でありました。「ジョーカー」の方は人間の弱さと醜さを徹底的にエグリ出してみせた分、深みのようなものが感じられたわけです。その分、暗くはなってしまいましたが……。「キング・オブ・コメディ」の底抜けの楽観主義と厚かましさは、見ていて不快ですらありました。不快といえばゲル大佐であります。一事不再理の原則を踏みにじり、荒ぶる外界に放り出した同志がドロ沼から這い出して来たのに「首班指名でワイに投票せい!だが仲間には入れたげない」とノタマう鬼畜に悖る人非人ぶり……。ここまでイヌ畜生の本性を隠さないでノウノウとしてられるゲル大佐のキャラは、「キング・オブ・コメディ」のルパート・パプキンと被ってると思ったりしたのでした。