季節外れというより、やっぱりな、という少しばかりのガッカリ感、そんな感じの宙組さんであります。次期宙組トップスターさんは、無難な人選に落ち着きました。タカラヅカさんは、無駄に波風立てず穏当な選択をしたかった、ということなのでしょう。その気持ち、よく分かるのですが、何かストンと腑に落ちない、ノドの奥に小さな引っ掛かりがあるような、そんな違和感がどうしても残ってしまい、スッキリしないわけです。件の事件で、頑なな姿勢を示していると一部報道されていた下級生達が一転、全員参加-亜音有星さん含む-で宙組上演再開に合意したというのが、違和感の第一歩であったわけです。これはウラで何かあったな、と勘繰るのは当然のことであります。おそらく、歌劇団側を挟んで上級生と下級生側とで会談の場を持ち、三方妥協の上、何らかの密約が交わされたとニラんでおりました。その妥協案が、芹香斗亜さんのトップスター在任期間短期化であります。下級生からしてみれば「顔も見たくないヤツが長期間頂点に居座るのは勘弁して欲しいが、短期となればイヤだけど渋々我慢してやってもよい」ということなのでしょう。なれば一応は退団の花道を用意してやってもよいが、しかし、退団に先立ったDSには一切参加しないからね、というキビシさも忘れてはいません。下級生達によるそんな不遜な妥協案を飲まざるを得なかった芹香斗亜さんは、進退窮まっていたと見るべきでしょう。そして問題のネクスト親分選任であります。宙組の休演期間中、下級生の意見、要望を聴取し、「桜木ノート」としてまとめ上げた行動力と、そんな男気の桜木みなとさんに支持が集まったのでありましょう。桜木みなとさんにならついて行けるわ、ということでありましょう。つまり、今年の春、宙組さんの公演再開が決まった時点で、次期トップスター桜木みなとさんへのレールは敷かれていた、というのが私の見立てであります。これが義侠のトップスター、桜木みなとさん誕生の顛末であります。信じるか否かは、あなた次第です。