60余年前のスター揃い踏み

東映時代劇の「東映オールスター映画 水戸黄門」を視聴しました。水戸黄門といっても「人生楽ありゃ苦もあるさ」の主題歌はなく、東野英治郎の黄門様ではなく、この印籠が目に入らぬかもなく、由美かおるの入浴シーンもない水戸黄門です。オールスターと銘打つだけあって、出演陣は豪華であります。月形龍之介の黄門様が目明しに扮し、不可解な殺人事件を捜査するという捕物帖のミステリ仕立てという意外性が興味を引きます。黄門様がお忍びで江戸へやって来た目的とも合致して、悪事を企み暴利を貪る巨悪を暴いた末に成敗するという、何とも胸のすく娯楽映画なのです。何処を見てもスターがズラリと揃った場面に出くわすのですが、粋な江戸弁をベランメェとばかりに淀みなく立て板に水の見事な台詞回しで酔わせる中村錦之助に、間延びしたようにヌーボーとした田舎侍崩れの浪人大河内伝次郎との絡みは一番の見どころでした。しかし、オールスターとかファン感謝デー、ファンフェスタみたいな趣向は良いものであります。タカラヅカさんのタカラヅカスペシャルが諸般の事情によりお流れになってしまったのは、残念であります。