確かな芸があってのドタバタなのだ

娯楽に徹した東映時代劇を視聴するのは、楽しいものです。錦之助、嘉葎雄の中村兄弟が主演の「殿さま弥次喜多」三部作を見ました。「ローマの休日」の殿様版といったところでしょうか。これでもかとドタバタ喜劇の連続技です。時折ホロリとさせる場面を挟んだり、娯楽作品の王道を往く作りになっています。ダークダックスの歌をミュージカル風に挿入するなど、本格派風味のスパイスも忘れてはいません。船上での様々な人間模様が織り成す悲喜劇などは、タカラヅカさんで見かけることがありますが、そうした定番のフォーマットも組み込まれておりました。征夷大将軍となる殿様が、焼き芋売りの娘に恋をするなどというトンデモなことは、タカラヅカさんではやらないでしょうな。やって欲しいけど。