ジュジュの奇妙なジャズ

ウェイン・ショーターについて贅言を費やしてしまいましたが、実は「JUJU」を語りたかったのです。ウェイン・ショーターの作品群で一番聴いてしまうのがこの「JUJU」です。その理由1、コルトレーングループのリズム隊にショーターが乗っかるという編成上の妙。取り分けエルビン・ジョーンズの参加に惹かれる。理由2、ウェイン・ショーターのワンホーンである。ショーターをジックリ聴ける。理由3、ウェイン・ショーターの怪しい雰囲気が満載ではあるが、4ビートのフォーマットがしっかりしているので安心して聴ける。理由4、Yes or No が名曲、名演である。エルビン・ジョーンズ大活躍!理由5、Twelve More Bars to Go は12小節ブルースの枠を超越し、そのソロはショーターのみに絞られ、余計なピアノソロが排斥されている。素晴らしい。とにかくエルビン・ジョーンズの野性的、情熱的に燃え上がるドラムスと、知性的に抑制されたウェイン・ショーターのテナーと、更に常軌と狂気が行き交うジャズのスクランブル交差点で、呪術のエネルギーがスパークするアルバムが「JUJU」なのです。