べらんめぇ娘にゃ宇宙人も敵わない

美空ひばりの映画は、もういい加減ウンザリな筈でありますが、アップされると視聴してしまうという、かっぱえびせん体質と化してしまった私を止める術は無いようです。1959年の「東京べらんめぇ娘」であります。昭和33年頃の浅草や築地などの様子がチラリと見えるなど、記録映画のような趣向で楽しめる按排であります。安保闘争など騒然とした時代を経て、所得倍増の経済成長へと続いていく前夜であります。そしてエンタメ業界も、銀幕からブラウン管へと移行していく前夜であります。それから65年もの時が過ぎ去り、まさに隔世の感が否めないわけです。ネット環境が整えば、気楽に映画が楽しめるからです。というわけで無料で視聴できる映画、「アトラクション 制圧」と「アトラクション 侵略」を視聴しました。ロシア発の映画であります。面白いか?と問われれば「面白い」と答えるでしょう。好きか?と問われれば「そんなに好きじゃない」と答えるでしょう。かなりな金額の予算で作ったのだろうなとは思います。でも「ゴクローさん」としか言い様がありません。主人公の行動原理が全く理解不能な為、映画に入り込んでいけないのであります。端的に申せば、共感できない、ということになります。情報統制から侵略の流れは、確かにリアリティはありました。しかし、超大作的なSF娯楽映画も人間が描けていなければ、視聴終えた途端にポイッと捨て去ってしまって、あとには何も残らない、というわけです。