ちょっと……なグッド・バイ

太宰治の絶筆となった「グッド・バイ」は、相当昔に読んでおりました。BS松竹東急で、その「グッド・バイ」の映画版を視聴しました。恐れ煎り豆という太宰治渾身のギャグ、なのかなぁ、も映画でも使われており、懐かしく思い出したのです。原作は途中でブツリと途切れており、映画版では脚色を含め後半部分は補完されており、物語として完結されておりました。しかし、かなり無理に盛られた感があります。それに映像全般的な色使いや光線の具合など、アニメっぽく感じられ、何だかなぁ、であります。小池栄子がとても美しく撮られていたのは良かったのですが、無理矢理感モロ出しのダミ声風なガラガラした声は、私としてはダメでありました。そこはチャキチャキした感じで良かったのに、であります。「Goodbye」というと、キャノンボール・アダレイがピアノのビル・エヴァンスと共演した「Know What I Mean?」に収められている演奏が、心に沁みます。