時代を繋ぐ者の決意

いきなりド演歌から始まりまして、引っ繰り返るわけです。1984年、雪組さんの「江戸切絵 千太郎纒しぐれ」です。宝塚歌劇でノッケからド演歌って違うでしょ、であります。私の敬愛する麻実れいさんに対してこの所業とは、ほとんど犯罪行為ではないでしょうか。大衆演劇の芝居小屋ですか?であります。ドレスコードがあるかどうか知りませんが、宝塚大劇場に集うのはハイソな方々というイメージがあります。この「江戸切絵 千太郎纒しぐれ」は、おヒネリを舞台に投げ込むような、そういう場所柄がお似合いの作品でしょう。お似合いと言えば、白いスーツがバシッとキマる月城かなとさんであります。退団発表記者会見を見ました。トップ就任時に退団時期を決めていたとか、月組を繋ぐ役割としてのベストな時期は5作とか仰っておりましたが、その俯瞰する視野の広さには驚かされます。月城かなとさんは、より良い形で次世代にバトンを繋いでいくのがトップの役割、と思っておられるのでしょう。タカラヅカさんにはその意志を汲んで頂き、時計の針を逆行させるようなことだけはしないで欲しいと思っております。