昭和のアヤシイおじさん本領発揮

東映時代劇の「次郎長三国志」を視聴しました。前回視聴した「次郎長と小天狗 殴り込み甲州路」が豪華キャストの割には、それ程でも、なデキだったので余り期待はしていなかったのです。しかしこの「次郎長三国志」、主演の鶴田浩二は任侠ものではサスガの貫禄で、参りました、でありました。そして軽薄でおっちょこちょいなお笑い担当な役どころで、山城新伍が役者巧者振りを発揮しておりました。山城新伍といえば、後年はバラエティの司会とかでチョメチョメ言ってるインチキおじさんというイメージでしたが、ただの助平オヤジじゃなかったのね、であります。御見逸れしました。御見逸れしたと言えば立川談志師匠であります。ユーチューブで三遊亭圓生師匠と談志師匠を、「らくだ」で聴き比べてみたのです。視聴前の予想では、やはり国宝級名人の圓生師匠相手では、いくら談志師匠でも分が悪いと思っていたのです。しかし酒乱のクズ屋が酒が入るとヤクザ相手に立場が逆転してしまう面白さが、談志師匠にピタリとハマっておりました。談志師匠の高慢チキな印象と「らくだ」の粗雑感とが相まって上品な圓生師匠からポイントを稼ぎ、談志師匠の判定勝ちといった趣です。山城新伍立川談志という偽悪ぶった昭和のアブナイおじさんも、本職ではひとかどのものがあったと、認識を新たにしたのでした。