オヅの映画に慣れてきた

小津安二郎の「晩春」「宗方姉妹」「麥秋」を立て続けに視聴しました。今まで忌避していた小津安二郎でしたが、人間還暦を過ぎると好みも変わるものなのでしょうか。小津安二郎の作品を見るのは拷問か罰ゲームくらいに感じていた若い頃の感覚が、今ではスッカリ無くなり、小津安二郎独特の映像に心地良さすら感じるようになってしまいました。私にとっては幾十年もの歳月を要して、漸くワカッタ気になったニックキ映画といえるでしょう。GHQ占領下の時代に、進歩的というか開放的なモダンガールを「麥秋」では淡島千景が、「晩春」では月丘夢路という宝塚歌劇団出身女優さんが演じておりました。お二方とも大変美しく「現代的」な魅力を放射しまくっていました。当時は、時代の先端を行く洗練されたイメージが、宝塚歌劇団にはあったのでしょう。今現在の宝塚歌劇団のイメージは、散々なものであります。困ったものです。