古臭いものは駆逐していかないと

スタンダールの原作を知らず、何の予備知識も無いまま23年星組さんの「Le Rouge et le Noir ~赤と黒~」を視聴しました。存外に面白かったので、宝塚で過去に上演した「赤と黒」はどんなんだろうと興味が湧きました。探してみると、スカステで放送していた柴田侑宏版をシッカリと録画しておりました。安蘭けいさん版と珠城りょうさん版の2本あったのですが、どちらも全く視聴しておりません。私にとっては、お二方とも猫またぎ状態のトップスターさんであります。今回は珠城りょうさん版「赤と黒」を視聴してみました。さて、どっちが良かったかというと、星組さんのフレンチロックミュージカル版であります。星組さん版には暁千星さんが出演しておりますので、暁千星さんのことが好き過ぎる私としては当然過ぎる結果ではあります。ジュリアンが策略にハマってしまう過程など、星組さん版の方がスッキリと分かり易くて良かったのです。柴田侑宏版は構成が何か回りくどくて、シンドイ感じがしました。柴田侑宏版で思わず笑っちゃった場面がありまして、「恋は曲者、女は魔物」と何故かフラメンコタッチの曲調に合わせた短いフレーズの唄の合間に、小噺的セリフを挟むという昭和のボーイズ芸もどきのところです。柴田侑宏渾身のギャグなのでしょうが、昭和の古臭過ぎる脚本を忠実に再現してしまう演出は、律儀なのにも程があると言いたいところです。令和の時代なのにね。どうにも分からないのが娘役さんです。美園さくらさんや天紫珠李さん、出演はされてなかった海乃美月さんを含めても、個人的には晴音アキさんが一番魅力的な娘役さんに映ったのですが……。タカラヅカさん的評価と私の感覚には、相当な乖離があるようです。