スタート直後にズッこけました

龍真咲さんの「GOLDEN JAZZ」を見始めたのですが、のっけから美人度ナンバーワンの朝美絢さんと、ぼくたちの暁千星さんが登場してニヤニヤしておったのです。しかし、龍真咲さんが銀橋で歌い始めると、最前列のお客様が手拍子でノリノリのご様子がバッチリと映し出されておりました。その光景を見てしまった私の精神状態は直滑降、であります。白け鳥が群れを成して東の空へ、であります。劇場の客席で巻き起こる熱気と、寒々とした部屋で一人画面を見つめる私とでは、熱量の差が段違いなのであります。それは、単に宝塚歌劇は劇場で観劇するに限る、といったことではないでしょう。劇場で観劇する前から勝負は始まっております。劇場で観劇される方は、演目が発表され配役が決まる前後からアップし始め、更にチケット争奪大戦を経て、大劇場の客席へと続く長い道のりが展開されているのであります。夢舞台を目の当たりにするまでの状況が、既に宝塚歌劇生観劇の大きな構成要素になっているのであります。部屋で寝っ転がって、割れ煎餅を齧り出涸らしのお茶を啜りながら、スカステのコンテンツを見るのとでは、ワケが違うのであります。であるから自ずと熱量にも天と地ほどの差が生じるのは当然であります。最前列のお客様がノリノリの手拍子で、ある意味トランス状態に陥っている非日常な様子を見てしまっては、現実の日常で生活している私などは、白々としてしまい、「GOLDEN JAZZ」が始まって数分のうちに、視聴の断念を余儀なくされてしまったのでした。