星奈さんの演技が重過ぎてツラい

いくら朝美絢さん主演でも「仮面のロマネスク」はキツイでしょう。脚本がこまったちゃんですから。冒頭に結論を配置してしまうというツマラン構成の典型ですし、「恋したことがありーまぁすか」の曲は場末のスナックで流れてそうな安っぽさモロ出しですし、「ありーまぁすか」の「りー」が不自然に間延びするところが聴いていて不快です。のっけから「コレ無理ッ」となってしまいます。登場人物に狂言回しをやらせたり、会話の台詞が丸っきり説明文だったりするのが興醒めなのです。「仮面のロマネスク」を懲りずに上演するのなら、脚本や曲の全面的改訂をお願いしたいところです。どうでもいいことですが、ヴァルモンの従者が女性を両脇に引き寄せ、女性の肩に腕を回したところで肘鉄を食らうというのは、シャボン玉ホリデーのエンディングで、ザ・ピーナッツハナ肇が定番としてやっていたものです。柴田侑宏渾身のギャグなのでしょうか。高嶺ふぶきさん版の初演当時も相当古臭かった筈です。大空祐飛さん版では植田景子先生が律儀にも柴田侑宏演出を踏襲しておりました。景子先生、何してんの?明日海りおさん版では流石に端折っておりました。当然でしょう。最後にこれまでの3バージョンで一等賞だと思うのは、野々すみ花さんが最高過ぎる大空祐飛さん版であります。勿論、クールな大空祐飛さんはとてもイイ!のです。明日海りおさんの目が血走ったようなイヤらしさもヨカッタ!のです。はてさて、朝美絢さんはクールな大空祐飛さん版でいくのか、助兵衛全開の明日海りおさん版でいくのか、どっちでしょうか。興味は大してないですけど。