脱藩、守銭奴の裏側に

最近は無料のBS松竹東急をよく見てます。2003年の映画版「壬生義士伝」を視聴しました。タイトルを見て、確かタカラヅカさん版もあったような気がして、探したところ、録画したまま未視聴でありました。映画版を見てからタカラヅカさん版、という順で視聴しました。映画版を見て先ず思ったのは、これ宝塚歌劇団の演目として無理ではないか?でした。それは主人公吉野貫一郎のネチっこくて人の良い田舎者を表現するには、顔の細かい表情の演技がモノをいう世界であり、超ドアップが可能な映画は良いですが、宝塚大劇場の舞台ではキビシイと言わざるをえないからです。それと宝塚大劇場で2本立てとして上演するには、時間の制約上物語の展開が駆け足にならざるをえず、当然描き切れないという結果が容易に想像出来るのです。鹿鳴館で煌びやかに着飾った淑女紳士の会話を狂言回しにするなど、如何にも宝塚歌劇団な演出に、悪戦苦闘振りが窺われます。しかしそれが功を奏しているかというと、チョットねぇ、であります。原作を読んでないので迂闊なことは言えませんが、ストーリー的に面白いかというと個人的には、チョットねぇ、であります。タカラヅカさんで新撰組物をやるなら、萩尾望都先生が衝撃を受けたといわれる、手塚治虫の「新撰組」の方が良かったのにと思ったりしたのでした。