ロートレックがジェンヌさんのポスターを描いたなら

やはりタカラヅカさんは芝居よりダンスとか歌とか、レビュー的な要素の方が魅力なのだと、あらためて思いました。「フェット・アンペリアル」を視聴しての正直な感想です。ダンスでもワルツのような乙に澄ましたものより、ご陽気にワイワイと楽しむようなカンカンの方が好みであります。タカラヅカさんのフランス気触れは、殆ど重症の様相で思わず顔をしかめてしまいますが、ロートレックムーランルージュの猥雑な雰囲気を想像させるタカラヅカさんのカンカンは秀逸なのです。「フェット・アンペリアル」でのカンカンを目の当たりにして、心の内でブラボーと力一杯叫ぶのです。しかし、とハナシは一転しましてお芝居の方はというと、これはかなり深刻にダメーッであります。涙に持っていこうとする魂胆が、テレフォンパンチとなりミエミエなのであります。ノーモーションでウヘっとなり驚く間もなくノックダウンとなるような展開でなければ、この作家さん凡庸過ぎて何だかなぁ、であります。