ズンドコをポップに変えた手品師

風間柚乃さんが大阪・関西万博のアンバサダーだかアンパイヤだか知らんのですが、そんなのになったというのを、タカラヅカニュースで見ました。風間柚乃さんはイイですね。何より明るいのがいい。楽しい爽やかカッコいいと三拍子揃った風間柚乃さんが、とてもイイわけです。苦節十ン年みたいな浪花節的世界は、タカラヅカさんには似合わないということで、風間柚乃さんに期待してしまうのです。さて万博というと私ら年寄り世代は、EXPO70の大阪万博を思い浮かべるのです。大阪万博のテーマソング、三波春夫の「世界の国からこんにちは」が耳タコ状態になったという歴史があるわけです。「世界の国からこんにちは」を某サイトで検索してみると、本家・三波春夫の他に吉永小百合山本リンダ坂本九のバージョンが見つかりました。聴き比べてみるとコレガ面白い。坂本九のバージョンだけが異質、別物のように聴こえるのです。三波春夫吉永小百合山本リンダのはズンドコ節スタイルで、ドッこいしょっ、てな感じなのですが、坂本九のはポップで軽やかなノリなのです。坂本九版でも間奏のコーラスなど、アレンジがダサ過ぎて如何にも昭和歌謡の古臭さ満載なのですが、坂本九の歌唱はオールディーズっぽくてイイのです。三波春夫のように「こ・ん・にッ・ちはー」と歌うとズンドコ節的ノリになるのですが、坂本九は、「こ・ん・にー・ちはッ」とアクセントをずらして歌っているのです。こうすることで、どんな効果が得られるのでしょうか?坂本九のリズムで歌うと、ジャズドラムのレガート奏法っぽくなるのです。口ドラム的に表現すると「チッキチーンチッキチーン」、つまりレガート奏法の二拍目を、いきなり一拍目をにもってきているのです。これを繰り返せば、ジャズっぽいスウィング感が出てきて、ズンドコ節的ノリがたちまちポップで軽やかなノリに変わってしまうのです。坂本九のポップな歌唱には、こうしたカラクリがあったのです。こういうマジックを駆使するポップス歌手・坂本九の才能に驚いた次第です。