「トップへのぼるわ」前哨戦

自民党清和会のパー券裏金問題から端を発して、自民党内がカオス状態の騒動となっております。秋の自民党総裁選に向けての権力闘争、政局とみていいでしょう。このような局面になると、政治家の胆力、器量、つまり人間力が見えたりするわけですから、ヘタなTVドラマを見るより面白かったりするわけです。意外なのは岸田首相が低支持率も蛙の面に何とかで、嬉々としてゲームを動かしに出ているようであります。岸田首相は経済政策や外交政策、国会対策等では如何にも昼行燈でありますが、政局となるや機を見るに敏といった印象であります。逆にコイツはダメだとなったのは、茂木自民党幹事長であります。自身の平成研究会は存続の意向を示し、清話会幹部には離党せよ、と凄んでみせるまでは威勢が良かったのです。しかし、その後平成研究会から続々と有力議員が離脱し、沈没船に取り残された格好でカッコ悪いね、であります。この幹事長、従前から次期総裁への色気を隠さず野心ギラギラでありましたが、とんだ小物振りを晒してしまい、これじゃ総裁選脱落でしょう。無派閥の有力者といえば、高市早苗経済安全保障担当大臣でありましょう。岩盤保守層から根強い支持を得ているわけです。岸田首相は高市氏を厄介な対戦相手とみて、牽制球を投じました。30日の施政方針演説で、任期中で憲法改正に向けた論議を進めると発言したのです。これは岸田首相の政治信条から発せられたものではないでしょう。というか岸田首相の政治信条なんて、カラっぽじゃないでしょうか。憲法改正などと如何にも岩盤保守層が食い付きそうな餌を撒いて、高市じゃなく岸田じゃ、と総裁選に向けて声高に叫んでみせたといったところでしょう。