再演不可なショー

2002年花組さん版の「琥珀色の雨ぬれて」を再度視聴しようかと思ったのだけれど、どうしてもその気になれなくて、「Cocktail」の方を視聴しました。藤井大介のショーですが、見た瞬間、藤井大介だと分かります。私のようなド素人でも。アルコール依存症の患者が、アルコール依存の世界をショーにしたわけですから、今となっては分かり易いというわけです。しかし、自身が抱える心の問題を主題にしてしまうというのは、当時から相当深刻な状況だったのでしょう。酔いどれ演出家でも、仕事をキッチリやって優れた作品を仕上げてくれれば、さしたる問題はないでしょう。しかし、セクハラ、イジメの現場に居合わせていながら、それを制止しないばかりか、ニタニタしながら見ていたとは、不作為行為でありましょう。問題の事件が起こる遥か以前のショーですが、藤井大介の作・演出で酒がテーマとは、苦笑するしかありません。