007といえば若山弦蔵よ

スパイ小説といえばジョン・ル・カレのスマイリー三部作、グレアム・グリーンの「ヒューマン・ファクター」などにハマり込んだ時期がありました。スパイ小説は心理戦。勝負は人間力で決するのです。ですから映画の007などは、正直スパイ映画というより、マーベルみたいな架空のヒーローものとして見ておりました。変身しない仮面ライダーみたいなものです。ダニエル・クレイグの「カジノ・ロワイヤル」も、そんな風に見ておりました。その「カジノ・ロワイヤル」の宝塚歌劇団版ですが、視聴前から期待度はほとんどゼロに近かったわけです。宙組さんの「カジノ・ロワイヤル」がオンエアされたので視聴しました。007はハナからシマイまで、疾走するスピード感で貫いていなければなりません。タカラヅカさんのように途中で歌が挟まると、テンポ感が消失し間抜けなことになってしまうのです。やっちまったなタカラヅカさん、失敗であります。ツマランし。気が散ってしまうし。舞台セットの巨大なルーレットが気になって仕方ありませんでした。あれ程でっかいルーレットが滑らかに回転するなんて、軸にはどんなベアリング使ってるのだろ?とか、そんな要らぬ事ばかり考えてしまって、芝居に入り込んでいけなかったというわけです。もう、節目節目で小池修一郎を起用するのは、いい加減、ヤメて欲しいですね。他におらんのか。