忘れじの昭和

峰さを理さんの 忘れじの歌
お目当ての番組です。'82年の作品です。40年も前の大昔、昭和の時代です。俺たちの時代です。
冒頭、例によってグチグチした恋愛物かいッ、と思ったのですが、気が付いてみたらグイグイ引き込まれていったのです。
峰さを理さんと、秋篠美帆さんの表現力に組み伏せられてしまった感じであります。
峰さを理さんは素晴らし過ぎです。盲目となったダルメンを演じる峰さを理さんは、目を閉じた状態の表情で表現します。その演技は素晴らしいを通り越して、凄味すら感じさせられます。例えて言うなら、盲目となって心の眼を開いた「大菩薩峠」の机龍之介を思わせる凄味であります。
そしてまさに心の開眼を果たした、ジェーン役秋篠美帆さんの表情は蠟燭の炎の揺らめきの如く、今にも消え入りそうな儚い美しさでありました。
昭和時代の古い人間とお思いでしょうが、剣幸さんといい峰さを理さんといい、昭和のスターさんを贔屓するわけではありませんが、素晴らしいものは素晴らしいのです。
バウ公演に限らず、昭和のタカラヅカさんを発掘し放送して頂けたら幸いに存じます。

スカステが余生の友