玉手箱 開けてみたけど 変化なし

「孔雀城の花嫁」は、大友柳太朗主演「花嫁」シリーズの第3作目です。2作目がヒドいデキだったので3作目は冷めた目で見始めたのですが、制作陣もサスガにこれではマズイと思ったのでしょう。城主役に中村嘉葎雄、輿入れの姫役に美空ひばりをキャスティングし、テコ入れを図ったものとみえます。やはり、美空ひばりの登場は強烈であります。「お嬢」の役が世界で一番ハマるのは美空ひばりで間違いありません。当時22歳の若さでアノ貫禄とは、恐れ入ります。恐れ入ると言えば、「龍の宮物語」の瀬央ゆりあさんであります。目ぢからの強さが印象的であり魅力的な瀬央ゆりあさんですが、「龍の宮物語」では弱々しい書生役であります。エヴァのシンジ君みたいなウジウジした軟弱さではありませんが、それにしても瀬央ゆりあさんの持ち味であるカッコ良さとは正反対の役に挑戦した、ということなのでしょうか。竜宮城から生還した瀬央ゆりあさん演じる伊予部清彦は、やはり時代の流れに取り残された哀愁を背中に漂わすような演出にして欲しかったと思います。