熱量で魅せる舞台

BS松竹東急で、蜷川幸雄演出「間違いの喜劇」を視聴しました。視聴を始めてすぐに違和感を感じました。役者さんがヤタラ声を張り上げているのです。どうやら、マイクを使っていないようでした。増幅装置を通さずに、地声を会場の隅まで響かせるのが演劇、との考えからでしょう。ひとのポリシーにケチをつける気はサラサラございませんが、すべての台詞を張り上げるような発声にしてしまうと、表現が制約されてしまうのではないでしょうか。アングラっぽい熱と勢いで突っ走るドロ臭さを、狙っているのでしょうか。宝塚歌劇のクールなお芝居に慣れ親しんでいる身としては、イキナリ蜷川演出の洗礼を浴びせられたようです。それにしても、月川悠貴さんの女装があまりにも美しくて、ビックリであります。男優さんだけで固めず、今度は女性役は女優さんで見てみたいものです。月川悠貴さんが演じられた役は、明日海りおさんがイイナ、と思うのでした。