天海祐希さんの 高照す日の皇子
バウ公演特集では初風緑さんの二作品が素晴らしかったので、他の作品も期待出来るのでは、という甘い考えは正直持っておりませんでした。タカラヅカさんは、肩すかしを喰らわす気満々ではなかろうか？そんな疑念を拭い去ることは、出来なかったのです。
天海祐希さん主演でも、です。寧ろ天海祐希さんだからこそ、警戒装置が作動するのです。役者さんが大きいと期待は膨らみがちです。しかし、期待が大きいとハズレた時の失望も巨大化してしまうのです。
失望のダメージを最小限に食い止めようとする、防衛本能から発するアラートなわけです。
そんな警戒音が鳴動する中、ギブアップすることなく完走できました。それは天海祐希さんと彩輝直さんお二方による、存在感イッパツでキメるジェンヌさんだからこそ、なのでした。
作・演出の部分はアラートの誤作動ではなかった、という結果でした。
上原まりさんの琵琶演奏も、最も効果的な場面でバシッと簡潔にキメてほしかったと思います。折角の上原まりさんなのに、残念でありました。
スカステが余生の友
