「本陣殺人事件」(1975年 ATG)を視聴。70年代的ファッションに身を包んだ異色の金田一耕助は、中尾彬が演じております。横溝正史御大は中尾彬の金田一耕助を、爽やかな感じ、と好意的に見ていたようであります。片田舎の格式張った旧家に、当時の現代的感覚の私立探偵が乗り込む。定番の古めかしい衣装でないのは、そういう対比を狙った演出なのでありましょう。この「本陣殺人事件」は、昔VHSのテープに録画したものを、何回も見直す程好きな映画でありました。3倍モードで録画した為、画質がかなりザラついていたのですが、今回BS松竹東急で放映されたので、有難く録画させて頂いたのであります。それなりの状態で改めて「本陣殺人事件」を視聴してみると、また感慨も一入であります。この映画の魅力は、何と言っても鈴子役の高沢順子であります。妖艶な魅力を紙一重で超越し、狂気の領域に踏み込んだ鈴子を演じる高沢順子に、男なら誰でもヤラれてしまうでしょう。高沢順子にヤラれない男がいたら、そいつは男じゃないと、チカラ一杯主張したいわけです。古谷一行の単体TVドラマ版「本陣殺人事件」では、鈴子役は牛原千恵で、高沢順子版鈴子とは打って変わって、清楚でケガレなく儚い感じの鈴子でありました。牛原千恵版鈴子も大変美しく、大好きなのであります。タカラヅカさんで鈴子を演じることが出来るジェンヌさんは、山吹ひばりさんしかおりますまい。鈴子が山吹ひばりさんなら、70年代の若者ファッションでキメる金田一耕助は、言うまでもなく亜音有星さんであります。毎度マイド亜音有星さんと山吹ひばりさんになってしまいますが、タカラヅカさんに亜音有星さんと山吹ひばりさん以上のコンビが存在しないのだから、仕方ありません。