上り坂、下り坂、そしてマサカ

「カムカムエヴリバディ」の7週目。漸く戦禍の悪臭から解放されつつある時代に入り、藤本有紀先生の筆も、再び波に乗ってきたようであります。算太がクリスマスに復員してまいりました。それまで執拗にクリスマスを連呼してきたのは、その為のお膳立てだったのか、と藤本ユキティ先生のトラップにしてやられた私は、またもや地団駄を踏むハメになったのであります。才能弾け飛ぶ脚本家が繰り出す予測不能なパンチに、ヨロコビの表情を浮かべながら悶絶するわけであります。算太が雉真家に転がり込み、不遜な態度で食卓を凍り付かせると、鬼姑が「淋しいのじゃろ」と算太をハグするわけです。それに算太が涙するという、これまたユキティ・マジックの炸裂であります。あの鬼姑があのクズ兄に!?一旦はドン底に叩き落しておいて、間髪を入れずの急浮上で、視聴している私は、凄まじいG値により平伏してしまうわけであります。「人生には3つの坂がある。上り坂、下り坂、そしてマサカ」と言ったのは小泉純一郎でありますが、まさにマサカな展開であります。そして兄と弟のキャッチボールのシーンが、回想されるわけであります。兄の投げたボールを弟がキャッチって、そういう展開?次週が待ち遠しいわけです。すっかり藤本ユキティ先生の織り成す世界に魅入られ、逃れられないわけです。