これは大変なめっけもんでありました。宙組さんのバウ公演「夢現の先に」であります。親分衆抜きの宙組さんが、これ程目を見張るような美しい舞台を作り上げていたとは、驚きであります。宙組さん、層が厚いですな。ビジュアル最高の山吹ひばりさんと亜音有星さんが出演されているので、このお二人目当てで視聴し始めたのです。山吹ひばりさんと亜音有星さんが現れるだけで、私の心の中は最高潮に達する勢いでありましたが、次第に物語の世界にグイグイと引き込まれていったのです。美形の上限をオーバーしちゃってる亜音有星さんに陰影をつけて深みを演出した生駒怜子先生、只者ではありません。主人公と夢に現れる謎の”彼”が、現実世界でどんな友情物語を紡いでいくのか、その先の展開を視聴者に委ねたところで物語終了。ボールを視聴者に預けたままで余韻を残す、ニクイ手法であります。これ程の才能がタカラヅカさんに在籍していたとはね、であります。この作品イッパツで先生と呼ばさせていただきます。フォービート中心の音楽も良く、作曲・編曲を担当された手島恭子先生も、お主ヤルな、でありました。