東映アニメーションミュージアムチャンネルに「墓場鬼太郎」がアップされていたので、有難く視聴。以前、ちくま文庫で「墓場鬼太郎」が復刻された時、早速購入して読み耽ったのであります。しかし、その後誤って全巻処分してしまい、泣きの涙でありましたが、地上波の深夜枠でアニメ版「墓場鬼太郎」が放送され、涙を流しながら視聴したのでありました。今、あらためて「墓場鬼太郎」を視聴してみて、そのクォリティの高さに驚嘆するのであります。「ゲゲゲの鬼太郎」の鬼太郎は正義感に溢れた善人の塊でありますが、「墓場鬼太郎」の鬼太郎は、破滅していく人間を助けることなく横目で見やりながら、口角の片方を上げて「ヒヒヒ……」と笑う不気味でブラックなバケモノであります。それなのに「墓場鬼太郎」の鬼太郎は、やたらと戦闘能力が低い!つまり、弱いのであります。弱いくせに狡猾に危機を回避しては他力本願で生き延びるという卑劣漢であります。しかし、私は「墓場鬼太郎」の鬼太郎こそ、水木しげるの本心が宿った鬼太郎ではなかったか、と思うのであります。黒い鬼太郎を通じて、人間の本質を描いてみせたのだろうと思うわけです。そんな黒い鬼太郎なんか見たかないわ、とお嘆きの貴兄に申し上げますと、目玉のオヤジとねずみ男は、ゲゲゲと同じキャラでございますから、安心して「墓場鬼太郎」をご視聴して頂けるのであります。猫娘の前身とも言えるキャラも登場致しまして、中川翔子さんがアフレコをされております。そして、しょこたんが歌う劇中歌と申しますか、挿入歌の「君にメロロン」がとてもイイ!しょこたんのキュートな歌声がタマランわけです。今でも時折「君にメロロン」を引っ張り出しては、ウットリと聴き惚れてしまうわけです。このしょこたんの役が似合うタカラジェンヌといえば、山吹ひばりさんであります。山吹ひばりさんとくれば、相手役には当然、亜音有星さんの名が思い浮かぶわけですが、「墓場鬼太郎」に亜音有星さんの役どころがナイ。仕方ない、亜音有星さんには、ねずみ男でもやってもらいましょうかね。